大戸川発電所導水路隧道橋梁群


滋賀県


その6


 


                2013年12月訪問

 嘉右エ門谷と3号沈砂池に別れを告げ、さらに
東進。
 そろそろ終盤ですな。
 。。。しかし、お気づきでしょうか。。。

 まだ隧道、
第7号しか出てまへんがな!
 あと6本あるはずなんすけどねえ。。。
 谷側の視界が開け、大戸川が望めるように。
 ちょうど堰堤が見えます。
 あれはレポートその1で最初に見た崩落石桁
橋、あそこの近くにあった桐生辻2号堰堤です。
 石張りの現役堰堤です。
 冬場ですがいい眺めです。
 紅葉の季節なんか結構いいのではないで
しょうか。
 長い暗渠が終わり、開渠が出てきました。
 次の谷はいずこに。。。

 おお!出てきました!久しぶりの水路橋です。
 2連橋梁あたりからずっと暗渠系ばっかりでしたからねえ。
 枯葉にすっかり覆われてしまっており、水分
を一切感じませんが、状態は非常に良さそう
です。
 久し振りに延長表記を確認。
 あと1150mです。
 まだ1km超あるのか。。。

 因みにここは板木場谷だそうです。

 判で押したように同じフォルム!見事な統一フォーマットです。
 しかしこれは少々右側迫石周りが緩んでいるようです。
 ここはNo.2だったんで、
第2板木場谷水路橋(第3号水路橋)となります。
 しかし、隧道が第7で止まってるのに、18個あった橋梁は残り2個。。。どういうバランスやw 

 上流側です。おおお。。。左側の損傷が目立ちます。
 この導水路水路橋の中では結構痛みが大きめですな。
 さくっと行きます。
 次はすぐでした。そりゃそうですね、同じ板木
場谷にあるんですから。
 すぐ見えてきました。

 。。。それと同時に。。。導水路が山に阻まれ
消滅している。。。ってことは。。。
 因みに、やはり。
 No.1 板木場谷になっております。

 残り1100m地点。この水路橋は前後を暗渠化されており、全体を見ることができません。
 しかしちょっとアーチ環と隙間が空いています。
 この水路橋は
第1板木場谷水路橋(第2号水路橋)となります。1km超残して橋梁あと1本か。。。
 相当痛めつけられている印象ですが、大きな
損傷は見受けられません。

 水路橋の隙間からカメラを突っ込んで内部撮影。
 自身の欠円アーチの他に。。。おお!?奥に半円アーチが!こいつの正体は。。。
   これです。やっと出ました、6番目の隧道!



 
第6号隧道 延長33.82m
 吐口側は完全暗渠化されていました。
 坑門の裏側には雨水を流す切れ込みを入れ
てますね。
 当然隧道を辿れませんので、巡視路沿いに
迂回します。
 小さい切り通しがあります。
 30mちょっとの隧道です。
 迂回してもすぐでした。呑口にやってきまし
た。

 第6号隧道呑口側。ありがたいことにこちらは開口していました。
 第7号隧道から随分間隔が開いておりましたな。ここから約1km、隧道ラッシュでしょうな。

 何本見てもいいですね。総切石造りの坑門です。
 内部も切石積みのままですな。
 第6隧道を過ぎ、しばらく行くと。。。
 むむむ!?最後の橋梁か?

 おお!小柄な切石アーチです。石桁でもいいのでは、と思うぐらいの大きさですな。

 この大戸川導水路では最小のアーチです。
 ここの谷は名称不明です。従って
第1号橋梁ということになります。
 いつもならこのサイズだと石桁ですが、なぜここはアーチなんでしょ?
 小さい穴に潜り込みます。
 山側がえらいことになってますな。
 うーむ、瓦礫が満載です。
 山側は相当瓦礫で埋め尽くされておるよう
です。
 谷側吐口です。
 水の流れはあり、一応機能はしているよう
ですな。
 最後の橋梁に別れを告げます。
 ここからは隧道のみ!
 αさんの電池残量がレッドレベルにきました
んで、サブカメラ投入です。
 屋外ならそんなに遜色ないですな。
 
 さあさあ!あと、850mです!
 沈砂池が現れました。
 どこまで確認したっけ?第5号から3号まで
確認していましたね。

 というわけでこれは
第2号沈砂池です。
 
 2号の水門です。
 きっちり閉じられています。
 振り返り。
 相変わらず満面の水量ですなあ。
 沈砂池からさらに東進。
 暗渠化された巡視路を進みます。
 すると視界の先に石積みが。。。
 これは。。。隧道坑口ですな!
 プレートを確認すると。。。



 
第5号隧道 延長16.367m

 短っ、そして相変わらず細かい。。。
 吐口側は完全に暗渠化されています。
 坑門も枯葉に埋め尽くされていますな。
 巡視路はやっぱり山肌を迂回します。

 すぐに回り込めました。第5号隧道呑口です。
 こちらはなんとか開口していましたが。。。フェンスが邪魔です。
 内部撮影は。。。うーむ、さすがに厳しい!
 αさんでチャレンジしましょう。

 αさんで成功!曲がった洞内を確認できました。
 続きましてすぐに次の坑門が。



 
第4号隧道 延長63.978m

 100mはなかなか超えないですな。
 第4号隧道吐口から振り返り。
 第5号隧道呑口との距離感はこんなもので
す。
 明かり区間が僅かですな。しかも暗渠化され
とるし。。。
 第4号隧道吐口には僅かな隙間がありまし
た。
 手を突っ込んで撮影。
 。。。うーむ、これが精いっぱいですな。
 およそ64mの隧道を巻きます。
 管理道は必ず設置されていいるので、歩く
のに支障はありません。

 山肌を巻いて呑口側にやってきました。
 。。。おお!?隧道が対面している?
 第4号隧道呑口です。
 あああ。。。ここは完全暗渠化です。
 第4号隧道は吐口の僅かな隙間でしか内部
を確認できませんでした。
 
 ここに550mのプレートが。
 第2号沈砂池の前に850mのプレートがありま
したんで、僅か300mの間に沈砂池と3本の
隧道があったことになります。
 対面するほど近い第3号隧道吐口。
 


 
第3号隧道 延長199.794m

 おお!いきなりほぼ200mの隧道が出てきま
した。導水路残り550mですから、あと2本隧道
が残っていることを考えると、実質これが最長
の隧道でしょうな。
 完全暗渠化と思われた第3号隧道吐口です
が、覗きこむとしっかり開口しておりました。
 しかし、開口部が弱弱しいフェンス&坑口まで
深いことから、無理して内部撮影するのはやめ
ときました。
 約200mの隧道を巻く巡視路。
 今回はちと長いですな。
 巡視路に谷が現れました。
 

 
 備後谷だそうです。
 導水路は隧道の真っただ中ですんで、当然
ここには何もありません。
 結構急傾斜に道が付けられています。
 落石注意の看板も。
 オーバーハングぎみの岩壁が続いています。
 これは険しいですな。
 隧道にする理由がこのあたりにあるようです。

 険しい岩場を乗り越え(巡視路完備なのでそんな大層もなく来れますw)、明かり区間に。
 ここも隧道坑門同士が相対しているようです。
 先ずは第3号隧道呑口。
 ここも明かり区間は暗渠化されております。
 ここも少し開口部がありますが、フェンスで
ブロックされています。
 ここでも内部撮影はしませんでした。
 続いて。
 


 
第2号隧道 延長78.73m?
 掠れててはっきり読み取れません。
 第2号隧道吐口。
 こちらも僅かに隙間を残すものの、暗渠化
です。。。うーむ、厳しいですな。。。
 ここも内部撮影なしです。
 巡視路にてまたまた巻きます。
 手すり付きで安全に配慮されています。

 巡視路が一旦下がったあと、階段で上りに転じます。
 その途中に導水路があるようです。ここも隧道が相対しているようですな。

 ここの明かり区間は久しぶりの開渠でした!
 いやあ、このフォルム久しぶりです。第2号隧道呑口は完全な姿を晒していました。プレートもはっきりで、延長も
78.73mで正しいことが判明しました。

 内部撮影もばっちりできました。
 モルタル吹き付けをしているようにも見えますが、違う気もします。基本は石アーチで間違いないと思われます。

 振り返って、最後の隧道です。
 プレートが汚れていて延長が不確かですが、
第1号隧道 延長30.951m?ではないかと。 
 ここでついにあと250mです。
 もうすぐ取水堰堤ですな。
 第1号隧道は小さな山と深めの谷を越えま
す。 
 そろそろ終了ですな。
 大戸川と導水路との高低差がかなりなくなっ
てきました。

 因みにここの谷は



 山椒谷というそうです。

 先に取水堰堤の施設が見えています。
 ここで最後の確認物件を。。。

 記念すべき第1号隧道呑口です。全ての隧道橋梁はここからスタートします。
 ここから7本の隧道、18本の橋梁を駆使して4km先の発電所まで水を運んでいます。

 この第1号隧道だけやたら年季を感じますな。竣工当初から一切手を加えていない!ってなオーラを
感じます。いい風格です。
 目一杯ズーム。
 30m程の延長で反対側が開渠でしたが、
光は見えません。
 どうやら右に曲がっているようです。
 これで全ての隧道橋梁をチェックできました
が、最後にちょっと取水堰堤を見ていきましょ
う。
 大戸川の水がありませんねえ。
 上にワーレントラスの橋梁が架かっていま
す。人用ですな。
 右側に大きな沈砂池が。
 忘れてましたがどうやらこれが
第1号沈砂池
だと思われます。
 大戸川の水は全て導水路に流れ込んでいる
ようですな。
 ここから4kmかけて発電所まで流れていきま
す。よくこんなシステムを計画して、実現させた
ものです。

 左奥から取水しています。完全に大戸川の水流を独占しています。
 まあ後でちゃんと返すんですけどね。
 地形を利用して基本動力なしで発電できる超エコロジーな導水型水力発電所。山林が多い日本ならではの画期的な
発電方法ですよね。末永く利用されていってほしいものです。
 今回のお浚いです。
 発見したのは以下の通りです。

 
:第2板木場谷水路橋(第3号水路橋)
 
:第1板木場谷水路橋(第2号水路橋)
 :第6号隧道33.82m
 
:第1号橋梁
 
:第2号沈砂池
 :第5号隧道16.367m
 :第4号隧道63.978m
 :第3号隧道199.794m
 :第2号隧道78.73m
 :第1号隧道30.951m?(130.951mかも)

 以上の通りです。
 アイコンクリックして頂ければ名称が出ます。
 前回からちょっと探索幅が広くて、左の画面に
アイコンが収まってません。マップをスクロール
してご覧ください。

 
青色は導水路に架かる橋、赤色は導水路を
潜る暗渠です。

 今回のマップが完成版です!