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兵庫県宝塚市、北西の西宮市方面から流れ
る武庫川に寄り添うように走る国道176号線。
西宮市と宝塚市境では南西方面に片側
2車線の国道に反して、武庫川対岸では。。。
ご覧のように狭苦しい県道の弱弱しい筋
が。。。
この路線は兵庫県道377号塩瀬門戸荘線
といいます。
開発が進んでいる宝塚市街地において、
何故こんな狭い線形のまま存在するのか。
とにかく、こんな場所に一本の隧道が眠って
いるのです。 |
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北向きに撮影しています。
一見して狭い県道です。写真の手前から線形
は屈曲しており、対向はお互い譲り合いが必要
です。ここから南へほんの数分で宝塚駅前とは
とても思えません。
向かって右側、武庫川沿いの岩が見返り岩
です。 |
だいぶ切り通していますが、これでも同時に対向するのは無理があるようです。 |
見返り岩手前に架かる橋梁。橋梁自体は何の変哲もないですが、重要な情報が記載されています。
橋梁名は「見返橋(ミカエリハシ)」、そして川の名称は「丁字ヶ滝川(チョウジガタキガワ)」と言います。
丁字ヶ滝。。。頗る変わった名前です。「滝」という名称が付くからには有名な滝があるんでしょうか。
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例の物件はこの中に。。。うう。。。 |
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ちょっと入って振り返り。
この前は車道。狭い割に結構交通量あるので
す。。。 |
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川床が見えましたが。。。
水が流れていませんねえ。水の流れた跡が
ありますが。。。
しかし、足元が。。。
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えらい瓦礫が山積しています。
どうやら側面の崖が崩落しているようです。
悪い足場、慎重に降ります。 |
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何とか降り切って振り返り。
うーーむ、大分崩れてますなあ。中央左寄りの
大きな岩から左に向かうと車道に出られます。
下部にコンクリートの橋梁がありますねえ。
それと自然石の石組み。
このコンクリ橋より少し下流に撮影側に向けて
暗渠が掘ってあり、そこから水が流れ出して
います。
どうやら水は表層を通らずに地下に潜ってい
るようですな。 |
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そのコンクリ橋からふと前方に目をやると。。。
むむむむ!!!
暗い影が見える!!!
まさにあれでしょうな。。。 |
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取りあえず、怪しい暗い影は置いといて、
ちょっと川を遡ってみましょう。
遡りと言ってもほんの10数m程度ですが。
おお!木陰から滝の姿が! |
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植生の影響で全体像が写せませんなあ。
こんな宝塚市街地にこんな滝があるとは。 |
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近くから。
うーむ、いい感じですな。
因みに「丁字ヶ滝」は、狩野派の絵を学んだ
山本永暉(エイキ)が描いた、「宝塚八景」の絵
葉書の題材にされました。絵葉書では「丁香飛
瀑」と銘打たれています。
絵葉書はネットで検索すると結構載せている
サイトがありますので、そちらでそうぞ。
この丁字ヶ滝は、滝マニア様の間ではかなり
有名のようです。
そして、かつてはこの滝を臨む位置に茶屋が
あり、そして隧道もあった。。。そうだ。
この隧道を知りえたのは超有名サイト、日本
の廃道からです。永冨氏が絵葉書1枚から導き
出した廃隧道。詳しくは著書「廃道をゆく2」を
ご覧ください。
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滝壺です。
山の上には新興住宅地が立ち並び、滝のすぐ
上にコンクリートの堰堤が造られているにもかか
わらず、意外と綺麗な水を湛えています。
。。。まあ、見た目だけですので、間違っても
飲まない、浴びない、浸からない! |
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さあさあさあ!お待ちかねのメインイベント!
私の嗜好は滝よりも穴でございます故〜
うーむ不気味な暗い影。。。 |
おおお!煉瓦アーチだ!!!
って既知の情報ですが、実際に目の当たりにするとますますいい! |
少しお手入れしてみました。
うむ!綺麗な3層煉瓦アーチである!しかも要石? |
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こいつは珍しい。。。
自然石を突っ込んで要石にしている。。。
隙間を整形しているものはなんでしょう?まさ
かコンクリートではないと思いますが。。。 |
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うーむ。。。
自然石を整形したものでしょうか。
だったら上の自然石はいらん気がしますが。 |
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3層の煉瓦巻き。
丁寧に積んであるようで、廃化して何十年も
経っているはずですが、安定してます。 |
内部映像です。
綺麗な煉瓦アーチ!かなり丁寧な造りです!美麗!!!
。。。しかしこのアーチに無数にひっつく木片?はなんなんでしょうか。。。???
そして何よりこの水没!こりゃあ、長靴でどないかなるレベルではないんでは。。。
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どう見ても木片です。
現役時からのブツでしょうか。
天井付近のコレは照明でも吊っていたんで
しょうか。
2016年10月加筆
hiroさんからの情報提供で、どうも20数年前に
ここに住んでいた方がいらっしゃったそうです。
その住人が居住するのに、結露した水が天井
から滴ってくるため、この木片にビニールシート
を張って防いでいたそうです。
また当時は50pほど高床にしており、入り口
にも塩ビの波板で壁を作り、扉まで備えていた
そうです。
なかなか快適な空間になったのではないで
しょうか。その形跡は今やこの木片とビニール
片のみとなってしまいましたが… |
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振り返り撮影。
入ってすぐは土砂が締まっているので普通の
靴でも何とかなるにはなります。
真中の鉄杭は、以前封鎖でもしていた名残で
しょうか。 |
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側壁には自然石をうまく並べて積んでありま
す。
これもかなり丁寧に造ってあります。 |
ここまで入ると長靴でないと無理です。
この廃景が一番好きですな。 |
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水没から2、3mでぬかるみも深くなり、長靴
でも進めなくなります。
きびし〜!!!
以前の私であれば、もうここで撤退!ってなる
んですが、新兵器を導入しております!
それは。。。ウェーダー!
渓流釣りとかで使う、胸元までの防水スーツ
です。これを手に入れてしまったわけで。。。
今回は本格初導入!です!
これに着替えて再トライ! |
ざぶ。。。ずぶずぶ。。。ざぶ。。。。。。。。
ううっ、冷たい。。。
ぬかるみは幸いそれ程粘着質ではなく、何とか進むことができます。
枯れ葉などの堆積物も相当多く、踏み込む毎に底の黒いヘドロや気泡がモアっと舞い上ります。
気分的にいいものではございませぬ。。。 |
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水没はこのぐらいです。
最大ではもう少し股下に近かったと思います。
底に足がしっかり付くので何とか進むことが
できるわけです。
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振り返り。ここまで進みました。
深いよ〜
フラッシュなしの映像もどうぞ。 |
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ここまできて。。。先が閉塞しているのが分
かってきました。
そして左手には。。。ちょうど中間地点くらい
でしょうか、なにか切り込みがあります。 |
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なんじゃこりゃ?
自然石の側壁から上部の煉瓦アーチ部分ま
でを切り込み、煉瓦で覆っています。
天井部は整形された切石を乗せています。 |
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ほぼ正方形の切り込みです。
昔何かを置くために開けていたんでしょうね
え。
ランタンとか置いていたんでしょうか。 |
振り返り!
満面の水没。この廃景はここまで入らないと得られません。。。
よく側面を見ると、煉瓦アーチ2段目までが汚れています。最大水深があそこまでいったことがあるんでしょう。
もしあそこまで水没していたら入らなかったと思います。。。 |
そして。。。ついに閉塞地点が見えてきました!
それにつれてまた土砂が多くなり、底も固くなってきました。 |
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遂に到着!
ぬかるみの少ない土砂が溜まり、長靴許容
ラインまで上がってきました。 |
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えらいゴミが多いですが、これは埋め戻され
た際に入ったものか、南側坑口から流れ着いた
ものか。。。 |
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ここが北側の端点という証明になりそうな
凹みです。
これって要石が入っていた凹みですよねえ。 |
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うーむ、そっくり抜け落ちているようです。
どれが要石だったのかは分かりませんでした。 |
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うむ。明らかに煉瓦アーチの端点ですな。
瓦礫は崩落ではなく、外側から押しこめられた
感じですな。 |
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反対側は業者さんの敷地になっていて、入る
ことができません。
惜しいですねえ。開口させておいて頂きた
かったですねえ。 |
最深部より振り返り!
この景色が見たかった!!!
丁字ヶ滝と隧道のコラボ、今でも十分名所に整備できそうですが。惜しいです。 |