父ヶ谷北谷林道隧道群

三重県


その8

  

 かなり他の山との高低差がなくなってきました。
 思えば遠くまできたもんだ…

 こんな標高に巨大な松が聳えています。
 風雨の影響か、盆栽のようにひん曲がっても生き続ける生命力に脱帽です。

 法面にワイヤーネット補強していますが…瓦礫がハンパないです。

 どおっすか!かかえこみ過ぎでしょ!
 これだけの瓦礫量を抱えつつその役目を保とうとするワイヤーネット。その強度耐久度の高さがうかがい知れます。

 そして…
 本日最大の危険スポットの登場です。上部から路面を削って法面が崩壊し、谷底に続いています。
 

 写真ではあまり危機感を感じ取れないかもしれませんが、現場で見るとかなりヤバイです。
 しかも崩れているヒノキを見るとまだ緑を残しています。ということは崩れて間もないということです。これはヤバイ。。。
 積雪の影響で瓦礫が凍結状態にあるものの、瓦礫自体は非常に崩れやすい状態です。足を掬われると谷底まで滑り落ちそうです。
 
 …で、突破に全神経を使ったため、突破時の写真はありませぬ。
 結論から何とか突破できましたが、おろろんさんはここで様子を見ることに。それ程危険な状況でした。
 おろろん教授を欠いてしまいましたが止むを得ず。
 先を急ぎます。
 残雪がますます酷くなっていきます。
 積雪&道自体の状況から足元が覚束きません。
 と思ったらまたすっかり消えてなくなります。
 なんなんだ。。。
 道はかなり希薄なものになっています。

 対岸に待機中のおろろんさん。見えますか〜
 右上のヒノキの島が今にも流失しそうです。。。
 少し進むと、面白い物件が。
 路面の暗渠にこのようなものがありました。
 なんと土管でもBK(ボックスカルバート)でもなく、
タイヤ管(笑)です。
 こんなの初めて見ました。みんなドン引きの中、
一人ではしゃいでました。。。
 路肩コンクリート、横断溝だけ生き残って、路盤の
土砂が流失しています。
 うーむ、なかなかトリッキーです。
 (画像は振り返りです)

 対岸のおろろんさん。どこにいるでしょーか!
 何かスキな光景です。
 
 自然の成すがまま、に感じる路面。
 路肩、法面が自然のままです。…と、奥の様子が…

 荒れた林道に似つかわしくないガードレールが現れ、その軌跡は山肌に向かっています。
 奥の山肌も怪しい感じ。。。これは、キタか!

 北ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
 遂に。。。遂にキタ!待ちに待ち倒した第二のトンネルのお姿、お目見えです!

 長かった…。6年前、道を間違って辿り着けなかった第二のトンネル。。。まさに6年がかり!嗚呼、会いたかった!!
 只今の時刻、12時23分。徒歩行軍開始が8時32分だったので、3時間51分。まあ4時間ぐらいの行軍でした。
 白倉決戦第二部では片道5時間半歩きましたが、それよりはましかな。。。
 それでも久しぶりの大行脚です。疲れましたな〜

 第1のトンネルは素掘りでしたが、奥の奥にある第2のトンネルはまさかのコンクリート製。セントル補強までしてあります。
 しかも扁額があります!
 北谷隧道

 第1のトンネルは仮称とせざるをえませんでした
が、こちらははっきり名称確定!
 北谷にある隧道だから北谷隧道。それなら父ヶ谷
にある第1のトンネルは父ヶ谷隧道。これで問題な
いっすよね!
 なんと銘板もありました。

 
北谷隧道
 竣工 昭和47年12月
 延長 45.0m 巾員 4.0m
 巻厚 30cm
 大阪営林局
 施工 株式会社 幸組


 幸組さんは現在も北牟婁郡紀北町海山区に
事務所を構えてらっしゃるようです。
 内部です。
 。。。うーむ、おっそろしくセントル巻きです。
 45mみっちりです。
 よって、内部の床面は非常に綺麗です。
 今すぐにでも現役復帰可能です。ここだけは。。。

 

 セントル巻きのトンネルから振り返り。近代的なトンネルには似つかわしくない景色が広がっています。
 このトンネルに車がやってくる時代は果たして来るのか。。。

 枯葉が吹き溜まっています。

 反対側坑口はかなり埋没しています。
 。。。それより手前の白いカタマリが気になりますな。なんじゃこりゃ? 
 枯葉の吹き溜まりもあれば雪の吹き溜まりもある
ようです。
 不思議な現象です。
 反対側の坑口の埋没が激しいです。
 白い所は雪でさらに上部まで積もってます。
 がらがらの瓦礫と雪山を這い上がり、見下ろします。
 閉塞も近い感じがぷんぷんします。
 ズームなしの至近距離から撮影可能です。
 それだけ瓦礫がうず高く積もってるんです。
 水平に見るとこんな感じです。
 立つと扁額の目線に。。。
 北谷隧道から先の光景です。
 雪に塗れた廃の景が広がります。

 北谷隧道の奥地側坑門です。
 この段階でもすでにアーチが見えません。
 そして。。。両サイド、上部、至る所が崩れているのが分かります。それも現在進行形であるのがよく分かります。
 何だったらちょっとからから音がする時もあります。なんてこった。。。
 このまま何も対策をしないと1年もたないのではないでしょうか。。。

 遠目から。
 左右の法面の崩れ方が相当酷いですな。もし修復させるならよっぽどの対策が必要に感じます。
 さて、と。。。
 目標がなくなってしまいました。
 しかしながら道はまだまだ続いているようです。
 ちょっとだけ進んでみます。
 青い看板が。
 復旧治山事業、ですか。。。
 結構新しい看板なんですがねえ。この手前に工事
するところが一杯できてしまってますな。
 ここにも看板がありますな。
 これも復旧治山事業の看板です。
 しかしこちらは詳細。平成9年〜11年度の事業
いたいです。
 1997年〜1999年です。こら古いわ。。。
 で、幸組といえば、北谷隧道の施工者です。一体
の治山事業を担当していたようです。

 。。。しかしきりがないですな。
 父ヶ谷北谷林道探索は北谷隧道確認で目標達成
とし、引き返すことにしました。
 (仮)父ヶ谷隧道に戻って来ました。14時43分です。
 やはりくだりでも2時間はかかります。

 そして、最後気になるあのアトラクションを確認
に。。。

 そう!これこれ〜
 マニア垂涎の最高級アトラクション(違w)

 ここに近づくだけでも結構ホネでした。
 。。。うーむ。見るからにヤバイ空気が充満しています。
 寸前。。。
 おお怖。。。高低差目測10mぐらいか。。。
 岩だらけだし、落ちたら命はないな。。。

 。。。うーむ。完全に吊り橋の体を成してない
ですな。メインケーブル2本は生きているような気が
しますが、右側の足場のケーブルを吊るハンガー
ロープが全て切れています。
 これ、渡ってる時に切れたら助からんでしょうな。
 ぞぞぞ。。。

 左側のメインケーブルは持ちそうですが、右下の足場は渡ってる最中に切れそうです。。。
 これはアウトの物件ですな(一目で分かるやろwww)
 名残惜しいですが、この物件はここまでと致します。命あっての物種。。。

 兎にも角にも  父ヶ谷北谷林道隧道 
攻略完了!