鳥越隧道


三重県


 

 
 あかいわ、あかいわ、あかいわ。。。???
 なんだ、それは。。。
 と、例のトンネルリストを睨みながらぶつぶつと連呼
します。。。
 三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区。。。ここまで
は絞れましたが、アカイワという地名を地図では発見
できず。。。
 白倉一次探索の前日、この地に立ち寄りました。

 アカイワズイドウ 竣工年度不明 延長36m
 高さ1.9m 幅1.8m 車通行不可

 これが分かっているデータです。
 もうこれは現地での聞き込みしかありません。散歩
中のご夫婦に話しかけ、アカイワに関する情報を
聞き出した所。。。
 やはり!アカイワという地区は間違いなく存在す
る!らしい!
 ということで勇んでアカイワ地区にやって参りまし
た。
 詳細な地図がでませんが、アカイワ地区はこの辺
です。漢字では「赤岩」と書くようです。
 。。。。。。
 って、ここ、紀伊長島の駅から徒歩でも楽に来れる
ような、一応市街地の外れです。こんなとこにそんな
隧道が存在するのか???
 半信半疑です。
 とりあえず地図の場所(左上の写真の場所と同じ)
県道766号線脇に車を停めます。
 赤岩地区で山があるのはここだけ。。。左手はもう
海です。
 この低い山。。。一応紀勢本線もトンネルで通過
する山です。ここの周りを取り合えず回ってみるか
な。。。
 なんて言いつつ歩き始めたんですが。。。
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 なんて言うか、足が止まりました。
 しなびた工場横の山肌に異変を感じ、自然と足を
止めてしまいます。
 時折あるこの感覚。。。なんか臭うぞ。。。

 ちょっとお邪魔して、その地点に接近します。

 居た!!!

 探索開始からわずか1分。。。いきなりその姿を捕捉しました!
 なんとラッキー。。。
 小さい。。。それが第一印象。
 簡易なコンクリートで巻かれていますが、明らかに
後付っぽいです。

 トンネルリストデータでは車両通行不能となって
いましたので、これで間違いないのでは。。。
 って、それより、明らかに廃隧道???
 坑口から振り返り。。。
 やっぱり廃隧道ですよねえ。。。
 真正面より。。。
 おし!!貫通しとる!!!3割ぐらいですけど。。。
 それでは内部へ。。。
 やはり。。。巻きたては入り口のみですぐに素掘り
となりました。
 何やら資材も置かれています。
 完全に素掘り状態です。
 人道というだけあって狭いです。富山の栃折隧道
や、奈良の高原隧道を思い出します。
 足元には瓦礫が散乱。明らかに天井や側壁が
剥離して落ちてきたものです。
 コンクリートの巻き立てが復活しました。
 それとともに見える大量の土砂が、坑口を塞いで
います。
 大部分閉塞に見えた反対側も、近づいてみると
結構開いています。
 難なく反対側に脱出!

 。。。いきなし、えらい廃感満点の光景に遭遇しま
す。

 前出の建物の左側ですが。。。エライことになっています。
 そこに建物があったのか、洗濯場の簡易な屋根があっただけなのか分かりませんが、惨憺たる有様です。
 とても紀伊長島駅から徒歩数分の場所にある光景とは思えません。。。

 前前出の正面に写っていたカタマリですが、朽ち倒した軽トラでした。
 たまには詳しく追ってみようと、できるかぎり追っかけた結果。。。

 SUZUKI CARRY Wide というのは写真ですぐに判明します。
 ネットで検索したところ、スズキのキャリーシリーズは、1961年のスズライト キャリイが初代で、 まさに
日本の働く軽トラナンバー1として、日常で見ない日はないんではないでしょうか。
 で、このCARRY Wide は、おそらく7代目、1976年にフルモデルチェンジして登場したST20の愛称と思われます。
 7代目の生産は3年間と短く、8代目でフルモデルチェンジした後は、Wideの愛称が付いていないと思われるので、
結構希少かもしれません。

 彼の後姿。。。存分に働いた後のその勇姿を、未だ朽ち掛けつつも保っています。
 夏場は植生に覆われそうですねえ。
 あの最初に見た建物の先は。。。
 なんといきなり有人ばりばりの雰囲気に。
 この境目がなんとも劇的。。。

 左手は川になっており、この先から隧道に至る
道がかつてはあったんでしょう。
 今は完全に蓋をされた状態です。
 脱線しましたが、改めて隧道坑口を確認。。。

 うわあ~。。。結構すごいことになってますなあ。
 頭上を見上げますと、かなりの部分が崩落してい
るのが分かります。
 程なく完全に閉塞してしまうのではないでしょうか。
 。。。よく見たら、左側のコンクリートがえらく手前に
飛び出ています。
 。。。これ、やっぱり、ここまでアーチがあったんで
しょうねえ。崖上の崩落時に陥没してしまったのでは
ないでしょうか。
 データのおさらいをしますと、

 赤岩隧道 竣工年度不明 延長36m
 高さ1.9m 幅1.8m 車通行不可

 
です。
 竣工年度が不明ですが、ピカ氏が地元の方と話
をされており、戦時中に防空壕としても使っていた
という情報も得てもらっておりますので、戦中には
すでに存在していたと思われます。

 思いもかけない場所に眠っていた廃隧道、現役
として復活することは永劫にないのでしょうか。
 隧道の位置です。
 ねえ?意外な場所でしょ?