(仮)虻谷隧道
三重県

 

スタート地点→ 
 虻谷トンネルって何ですか???ある動画
サイトで目に付いた、謎のトンネルの紹介が
ありました。
 それは三重県は亀山市の林道に存在する
らしい。。。しかも廃されて。。。いかなる
隧道トンネルリストにも載っていない(と思い
ますが)超レアアイテムであることに間違いな
いでしょう。
 その動画から得られる情報と言えば、この
写真の「林道北在家中津川線」と「虻谷林道」
の2つぐらいです。現役林道上に存在するな
らいざ知らず、廃隧道ということは、廃林道に
あって然るべき。どこからどう探索の手をつけ
てよいのか、まさに雲を掴むような話ではあり
ますが、ユニークアイテム(珍品)というので
あれば探さずにはどうしても居れません!!
 ということで、ろくな下調べもできずに無謀
にもやってきてしまいました。
 スタートは上記載マピオンの通り、旧国道
25号線、大和街道橋梁という立派な煉瓦橋
梁の程近くから林道北在家中津川線の
入り口です。
 「北在家中津川線」は旧国道25号線と並ん
で東西に伸びる路線で、山あいを進みます。
道自体は1車線幅ではあるものの舗装もしっ
かりしており、特に険しい林道というイメージ
はありません。
 とにかくゆっくりゆっくり進んで、蟻の子一匹
見逃さないように周囲を注視しつつ進みます。
特に地図上で気を付けていたのは、極度の
カーブのある場所、小高い山を回りこむような
線形の地点を特に注視して探索しました。
 緩いカーブのみでは、隧道の出番があるの
か、右手は大半が谷床なので候補外し、左
手は山手だが、真北を向いた隧道なら、一体
どこにつながるの?北側は基本的に大きな
峰峰が聳える場所なので、隧道の行き着く
先はない。。。。。。などと、ぶつぶつ自分を
納得させる呪文を唱えながら進んで行きます
 

 で、何箇所か候補が潰れていく中、虻谷林
道までもう少し、の地点で初めての丁字路に
出ました。写真奥がスタート地点の西側(車
が反対向いてるのは気にしないで。。。)手前
が東方面、虻谷林道もこの先から分岐します。
 でで、この左(南側)の路線は何?

←場所はこの辺。
 南方面の道です。ダートですね。。。
 地図では出雲谷川に沿って旧国道25号線
に抜けられるように書いてあります。ほとんど
川沿いを走る為、隧道がある可能性はかなり
低いと目されます。
 この丁字路にある木製の標識。西側は「加太
不動滝5.9k」「公園10.7k」。東方面は「バンド
ウ山4.5k」「鈴鹿峠10.8k」だそうです。特にヒ
ントになるような事は書いていません。東海
自然歩道か。。。。。。。。。。。。。んん???

 その東西の道しるべの下なんですが、何か
元々同じ様な道しるべを取り付けていたよう
なボルトの跡がありません???しかもこの
向き。。。東西ではなく。。。南北を示していた
っぽくないですか???だって東西ならこの
ボルトの位置は不自然ですし。。。
 まあ、昔、南側を示していた道しるべが付い
ていたと考えれば特に不思議ではないのです
が、何か、いままで気にも留めていなかった
北側が急に気になり出しました。。。。。。。。
 北側の風景。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 奥に行けば行くほど植林のような木々が聳
えるのみで、道は。。。うーむ。。。しかし、左右
にはある自然の法面が中央にはありません
な。。。
 もっと近付いてみました。。。。。。。。。。。。

 はああああああ。。。森が。。。開ける。。。。
その緑の海をモーゼがごとく斬り払われたその
先に見えるものが。。。。何か。。。見える。。。

 全身に鳥肌が。。。さぶいぼが。。。
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 居ました。。。居ましたよこんな場所に。。。
何と申しましょうか。。。よとと的にはありえない
法則の場所なのですが。。。
 だってだって、北側は巨大な峰峰が続くはず
なのに、一体この隧道はどこに繋がっている
の??????鉱山の坑口???と、ありえ
ない考えも頭を巡ります。。。
 しかし、恐ろしい。。。あの丁字路(と思って
いた)でうろうろしている間中ずっとこの隧道
はよととを見つめていたのですから。。。怖いよ
ここに居るって言ってくれよ!
 隧道間近から振り返り。やっぱり現道が見え
ます。何ていけずな隧道か(むちゃくちゃ。。。)
 ちょうどゆるいVの字型に、ちょうど道幅分く
らいのスペースが開いています。
 !!反対側が見えます!!
 やっぱり鉱山の坑口ではなかったか。。。あ
たり前か。。。
 しっかしどこに繋がるんだ???こればっか
りは行ってみんことには分かりません。
 坑口は至って平凡なコンクリ隧道。扁額や
銘板の類など一切なく、その身を半分くらい
沈めている感じがします。しかし、さっきから
やたら「ひたい」が明るいな、この隧道。。。
 !!何と要石がある!!
 何てナマイキな。。。コンクリ隧道やのに。。。
迫石もなくいきなり要石???と思ってよく
見ると格好だけで、本当に石をはめ込んでい
るわけではなく、コンクリを少し盛り上げただけ
であることが分かりました。だいたい迫石のな
い要石なんて何の役にも立たないですしね。
 でも珍しい特徴を持ちますね、その点では
非常に嬉しい発見です。
 それにしても不思議。木漏れ日の光がちょう
どこの部分だけに当たっている感じがします。
上の植物の葉の影が映し出されています。
 内部もコンクリ巻きになっているようです。
 手前は枯れ木群の山が洞内の半分を占めて
いますが、それからすぐ完全になくなり、少々
の水面が。そして、その先にはしっかりと陸地
が見えます。
 南側坑口からの風景。日の光が眩しく、安心
感が取り巻いています。
 枯れ木群と水面を越えて陸地に立ちました。
小さい隧道です。普通車でもなんとか行けるか
な?奥は素掘りのようですね。
 陸地から南方面を見ます。
 こんな感じで枯れ木で半分蓋をされた状態
になっています。
 その大半が完全な素掘りとなっています。
 モルタル吹き付け等もないですが、うまくアー
チを描いております。
 しかし、普通の林道隧道だったのでしょうか。
こういう種類の隧道は、林鉄トンネルである
ケースが結構多いと思いますが。。。
 北側の坑口手前は相当水が溜まっています
こりゃあ大丈夫やろうか?
 坑口が水面に写って結構幻想的。。。
 そろりそろりと水溜りを進みます。長靴でぎり
ぎり!なんとか浸水せずに進める水深でした。
 北側はコンクリ巻きが少なく、すぐ手前の素
掘りの箇所が崩れています。
 崩れた地点を見上げると、日の光が見えて
しまいました。穴が開いてしまっています。
 出口間近で振り返り。
 水溜りは結構な長さで続いていました。
 北側の坑口です。伐採された丸太が無造作
に転がっています。
 こちらの坑口もコンクリのみの至ってシンプル
なもの。南側にあったようなダミー要石もあり
ません。
 北側からの道筋は結構綺麗に残っています。
左手にコンクリ(だったかな)の法面も備えて
あります。
 ふと右手を見ますと。。。!!なんと舗装路
があります。
 地図で確認したところ、どうやら「北在家中津
川線」のようです。車で来た道と同じ路線です。
 北側坑口の遠景です。こちらも周囲が植林
によって覆われております。
 かつては、切り出した木材を運搬するトロッコ
が走っていたのではないでしょうか。
 少し北に進んだところで、路面が陥没してい
ました。この道が廃されていることは間違いあ
りません。
 路面を固める切石積みはそんなに古い遺構
とは思えませんが。
 ここから先は道がなくなっていました。
 なくなった道の端から。。。んんん??
道があるよ。。。ちょっと下の方ですが。ここと
は繋がっていないようです。
 舗装林道の「北在家中津川線」に一旦降りて
から、見えたダート道に行ってみました。
 チェーン封鎖されていますね。
 !!虻谷林道だ!!
 何か読めてきたぞ。。。
 あの丁字路(本当は十字路)からこの現在の
虻谷の始点までは、もともと虻谷林道であった
が、北在家中津川線が規格の高い林道となっ
たために、隧道を通るルートを破棄してここを
始点にしたのではないでしょうか。
 いや、ひょっとしたら、あの十字路の南側も
虻谷林道なのかも。。。
 その辺りの細かい所は分かりませんが、とり
あえずあの隧道は旧虻谷林道の隧道であった
可能性が高くなりました。
 ずばり、隧道の位置はここです
 さっきから南や北と言ってきましたが、南西
方面から北東方面と、斜めに走っていました。
 どういった経緯がこの林道達や隧道にあった
かは謎のままですが、発見に至れたことが非常
によかったと思います。