その3
楕円石アーチの珍しい橋梁を惜しみつつ 離れ、導水路に戻ります。 現在の所、隧道1本、水門石アーチ1基、 橋梁1基確認できております。 さあこの先には…? |
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程なくして導水路にコンクリの構造物が 現れます。蓋のされた導水路の上を沢の水 が越流できるようにしている構造物かと思い ましたが、それはそれでその機能はあるよう ですが、下部にどうやら例のブツもあるよう です。 |
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ありました!本日2本目の橋梁です。 先程のは橋梁という感じでしたが、こちらは暗渠タイプですな。 |
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導水路本体は完全にコンクリート製です。その下に辛うじて石アーチが残されています。 元々は導水路と一体化した暗渠だったと思われます。 ただ、経年により排水機能が低下したため、導水路のコンクリ化に併せて沢水を上部から流す方法に変えたようです。 |
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立派な石積みです。欠円アーチでしょうか? アーチ環両サイドの坑門石積みが僅かに残っています。 |
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内部はご覧の通りの有様です。これでは機能しないですなあ。 暗渠石アーチは事実上廃止、コンクリ越流方式にシフトしたようですな。 |
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取水口方面を向いて撮影。 それがこのコンクリ越流用の構造物。 斜面部分に暗渠に至る窪みはもう見られ ません。 |
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さらに発電所方面に歩を進めます。 | |
導水路を守る大擁壁。空積みのようですが、どのように耐水対策をしているんですかねえ。 |
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この辺りはずっと蓋渠が続きます。 | |
隙間からまた内部撮影。 まだまだ水を通せそうですねえ。 |
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おお!これは… |
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沈砂池ですな!先程も石水門がありましたが、沈砂池ではありませんでした。 こちらは堂々と沈砂池です。 |
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こちらも立派な石水門。この状態が残る導水路は私的には非常に珍しいです。 |
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さらに前進。 すると… |
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「900」のカードが。 隧道内部で「500」だったので、それから 400m進んだことになります。 |
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どんどん進みます。 荒れてはいるものの、注意して進めば 比較的歩きやすい廃ウォーキングです。 |
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また沢水を越える場所が出てきました。 しかしながらここは全面コンクリに改修された模様です。 導水路の筐体そのままで沢を渡っています。 |
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蓋渠が多いです。 こういった蓋渠も後年物と思われます。 当時は基本的にフルオープンではないか と。 |
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山の斜面にある構造物。これは初期物ではないかと。 今でも機能はしていそうです。 |
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こちらは結構圧巻です。 2段の擁壁が全て自然石の空積みです。恐らく初期物でしょうが、今でも全く揺るぎありません。 そしてここは開渠。信頼の証ですな。 |
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そして少し先行していた皆様が立ち止まっています。 んんん?こんな所に例のブツが!??? |
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おおおお!いい!素晴らしい!!! 沢の匂いがあまりしない箇所でしたが見事な石アーチ暗渠が! これは全て初期のままではないでしょうか。 |
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7個の輪石からなる欠円アーチ。そのアーチは迫受石で支えられています。 坑門は布積み。両側の迫り出した翼壁は自然石の空積みとなっています。 しかし内部は埋まりまくっておりますな… |
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いいですね。好きなアングルです。 |
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内部はやはり埋まってしまっております。 山側は完全に埋まっているものと思われ ます。 |
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3本目の橋梁からすぐ、またも怪しい場所 が現れました。 が、すぐに状況が把握できません。 |
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山側にこのようなコンクリの四角い穴が 開いています。 ここから覗けるかな? |
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ぎょっ… なんじゃこりゃ!?四角い穴から覗いた純粋な景色です。 穴ぐらの中に石アーチの坑門が見える??????????????? |
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頭上がかなり怖いですが、屈めば人が抜けられるほどの空間です。 しかしこれは一体どういうことなんでしょうか。 |
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坑門の傍まで行って振り返り。 ぐおおおお…えらいことになっています。これは…導水路横の道の裏側ってことでしょうか。 ってことは坑門のあるほうが… |
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これが出てきて振り返った映像です。 この隙間の向こうが導水路横の道の裏側です。なんてこった… |
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輪石と瓦礫の隙間から道の裏側を望む… なんじゃこりゃ??? どうやら道は後付けのようですが…これが通常?なわけないか。 |
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谷側に脱出。欠円石アーチと石坑門はしっかり残っておりました。 これで石アーチの橋梁は4基になりました。いやあ、結構ありますね。 |
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上部にこういう四角いコンクリ穴が並行に 2つ並んでいます。 どうやらこの2つの穴が新たな沢水排水 路のようです。 道と同時に完成し、下部のアーチは廃棄 されたと思われますが、思いもよらぬ底抜け によって、沢水は上の四角い穴は通らず、 アーチの方へ流れていったようですな。 |
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廃棄されたはずが思わず復活した欠円アーチです。 |
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そこから程なくして…ついに上部水槽に辿りつきました! これで隧道1本、水門石アーチ1基、橋梁4基という結果となりました。 |
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これは余水吐きの水門と思われます。 | |
上部水槽から水圧鉄管へはここを通過 します。 |
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振り返り。 往時はここを満面の水が流れていたんで しょうねえ。 |
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水は集約され、ここに入ります。 | |
内部はこうなっています。 真下に穴が開いてます。 ここから水は吸い込まれ… |
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ここから出て、今はなき水圧鉄管を通って一気に発電所に駆け下ります。 |
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管を支えていた基礎だけが残ります。 |
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石積みの立派なものですな。 |
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管の周りの石積みが特徴的ですな。管が先でその後石積みで固定したんでしょうか。 |
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内部です。なかなかこの景色は拝めま せん。 |
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上部水槽の建物から水圧鉄管目線で。 |
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中間の接続部。 | |
後半部の跡。しかし綺麗に残っていますな〜 |
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ここから発電所まで急角度で下ります。 | |
眼下に発電所の基礎が見えています。そう、発電所はもう残っておりません。 |
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発電所跡の基礎に丸い穴が。 ここに水圧鉄管は繋がっていたようです。 |
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これが発電所跡の全景です。かつての施設は残っておりません。 護岸は修繕されているようで、導水の吐口の姿は見られませんでした。 それと、右に見える橋は普段ゲートがあり、入ることができません。 たまたま所有者の方が作業に来られており、お許しを得て無事に抜けることができました。 それがなければまた導水路を引き返すことになっておりました。 それにしても廃止された水力発電所導水路の中ではかなり遺構が残っている方ではないでしょうか。 いいものを見させて頂きました。 |