林道の橋梁が見えてからすぐ、目線の先に 遺構が見えてきました。 |
|
これは…水門ですな!沈砂池はないようですが、排砂門と思われます。 石積みの水門は、私としては珍しいです。私が見てきた明治生まれの水力発電所導水路でも、大体コンクリートにて 改築されているんですが。 |
|
吐口側です。 流路はさすがにコンクリートですな。 そしてこの水門からすぐ… 最大の見どころの一つが現れます! |
|
いきなりきました!当該発電所導水路で唯一とされる隧道の登場です! 暗渠、橋梁を差し置いていきなり隧道です。これには驚きました。 |
|
立派な石アーチです。非常に丁寧な石積み、現役でなんら不思議のないフォルムです。 |
|
輪石は11個。要石はありません。隙間なくぴっちり仕上げています。 うむ。素晴らしい。 |
|
内部は…おおお!石積みアーチ!奥は素掘りのようですが、思いの外石アーチの延長があります。 足元は水没ぬかるみですが、長靴であれば何とかなります。 |
|
振り返り。 いつも威力絶大のビーム照射感謝です、のおろろん氏とピカ氏。 結局通り抜けは私だけで、皆は外から回り込むことになります。 |
|
モルタル充填補修は受けているものの、全く損傷が見当たらない見事なアーチです。 |
|
長めの石アーチを堪能した後は、素掘りとなりました。さすがに通してアーチはないですかね〜 |
|
素掘りでも不安は全く感じません。そのまま素掘りでも良かったのでは、と思えます。 |
|
振り返り。 石積みの断面です。不揃いの素掘りに揃った石を積むのは大変な労力ではないか、と常に思います。 |
|
ここで「500」のカードをゲット。 洞内にもちゃんとあるのが面白いです。 |
|
ちょっと素掘りの雰囲気が変わりました。 よく見る岩盤素掘りですな。 |
|
こうもりさんがいらっしゃいます。 キクガシラコウモリと思われます。 サイズからコキクガシラコウモリの可能性も あります。 |
|
対岸が迫ってきました。しかし通して水没してますな。 |
|
吐口側の坑口はの巻き立ては僅かでした。 | |
吐口側はちょっと埋没しています。 側壁はコンクリ補修を受けていますな。 |
|
振り返り。 延長は100m超ある感じはします。 |
|
吐口側の坑門です。 呑口側と違って、「おでこ」が狭いです。そして少し損傷が見られます。 が、アーチ自体に問題は感じられません。 |
|
少し引いて。 この隧道を飛び出してみると、やけに周りが開けています。それどころか、水路の両サイドは大きく落ち込んで います。危ね〜!なんだこりゃ!? 右側から恐る恐る覗いてみると… |
|
おおおおお! 石アーチ橋だ!!! 隧道出てすぐ石アーチの橋梁! 素晴らしい!!! |
|
隧道に向かって左側から降ります。 おおおお!素晴らしい!!! 上部の水路部分は崩落しているものの、アーチ部分は全く損傷がありません。 しかも、半円でも欠円でもない楕円のアーチをしています。 素人目ですが半円や欠円に比べて強度に劣りそうな形状ですが、水路だから問題なかった…? |
|
絶妙なバランス感です。 アーチ橋梁はシンメトリー(左右対称)が基本です。半円アーチなら比較的合わせやすいと思いますが、 このように楕円だと非常に難易度が上がる感じがします。 アーチの高さに制限があり、且つ径間を増やす必要がある場合は殆どが欠円アーチです。 欠円アーチだと、上からの荷重を、側壁と輪石を合わせる迫受石部分に流すことができます。 この楕円アーチだと、欠円ほどの作用は得られない気がします。鉄道ではかなり厳しい施工ではないでしょうか。 事実、私は鉄道で煉瓦造りを含めこの形状は見たことありません。 この規模の導水路だからこそ成り立った作品かもしれません。 |
|
側壁は布積みです。 しかも充填剤のない空積みっぽいです。 |
|
アーチ天井部。 ここも空積みっぽいですね! しかも隙間が結構あります。 これで崩れないんですから、アーチ構造の 不思議ですよね〜 |
|
側壁からアーチに至る石積みの様子。 輪石の始まり一個目が迫受石と捉えるこ とができるかもしれません。 |
|
下流側より。 あ…こちら側から見ると、迫受石ということがはっきり分かります。 欠円と楕円の違いは、迫受石から数えて1個目と2個目部分の輪石がクイッと曲がってる所ですかね。 そのまま真っ直ぐで迫受石に鋭角にぶつかってもらったら欠円になりますかね。 |
|
圧巻です。 門ですな。凱旋門。とでも呼びたくなるような重厚感。お見事です。 |
|
いやあ、非常にいいものを魅せていただけました。 これは暗渠ではなく、完全な石積み橋梁です。素晴らしい! 以降、 その3 に進む! |