Get's ヘキサ
暗峠越え

最終戦

 

 隧道に出会えぬまま泥沼の様相を呈してきた
行軍を嘲笑うかのような、あの「パイプ線路」が
宙を渡っているのが見えてきました。。。。
 またかよっ!
 本日4本目は最早何も遺構を見ることができま
せん。パイプ線路のド真ん中に樹木が聳えてる
し。。。何でどんどんひどくなるの???
 ご他聞にもれず、ガイドロープ手すりが備えて
あり、それは沢の方へ向いてます。どうやらVの
字に攻略せよということらしい。
 ちょっと降りて振り返ると桁を支えていたであろ
う遺構を見ることが出来ました。
 昔架かっていたいたであろう桁の一部かな?
 たくさん鉄杭が打たれてます。桁は材木ででき
てたから、崩れ、自然に還ってしまわれたので
大部分見ることができないのでしょう。
 ナンマンダブ・・・
 この沢から上方を見ると、南海高野線の立派な
橋梁をみることができました。
 山奥に架かる大きな橋梁。。。どうやって架けた
のか、いつも不思議に思います。
 相変わらず道は倒木に遮られつつも、自然の
猛威に抗うかのように、道幅を維持しつつ先に
続いています。
 
 5本目橋梁跡発見!ををっ!今度は桁がしっか
りと残っているではないか!こうでなくちゃねえ。
 ここだけはコンクリ仕様となっており、全くゆる
ぎない遺構として現存しています。
 
 あのコンクリ桁の橋梁を渡ってまもなくのことで
した。。。なんとなく忘却の彼方になりつつあった
「あの」存在を感じる薄暗い部分が道の中央に
見えてきた。。。。。。。。。。。。。。。。
 ATTAA!!!
 
 つ・・・ついに・・・ついに、やっと発見したよ・・・
 よかったあああ。なかったらどうしようかと、
実はヒヤヒヤもんでした。こんだけ隧道レポ引っ
張っといて、ないんかい!じゃすまんしなああ。
 完全素掘りの、縦長隧道です。鉄道隧道らしい
造りなのかな?
 向こう側が見えないのは、ちとカーブしてるから
のようです。
 隧道としている山はそれ程の高さを有さず、す
ぐ空を仰げます。隧道すぐ上は岩が剥離して崩落
した跡もあります。
 
 崩落した岩石が2つ3つになって転がってます。
コワイコワイ。
 土砂流入も殆どなく、隧道高さは現役さながら
に残ってるのではなかろうか。
 
 隧道内部っす。結構広く感じます。中、下古沢
隧道よりも明らかに広い。
 うちのアテンザ君でも充分の幅があります。
 隧道壁に残る遺物。これって碍子(ガイシ)って
ゆうんですよね!?電流を絶縁するやつ・・・
違うかったらすんません。前に見た落し物も碍子
なんかなあ。
 振り返って、お気に入りショット!
 ああ・・・今までの苦労が報われる瞬間です。
 あれれ?
 「上古沢」側はしっかりコンクリ武装した隧道
になっとるがな。大きさもスモールダウン。
 片側だけコンクリ武装した隧道は、大塔川隧道
でも見られました。森林軌道の特徴の一つなんで
しょか?
 静かな森林地帯にぽっかりと口を開ける隧道。
 これが「上古沢隧道」と考えて間違いないと
思います。
 中、下古沢隧道は、場所柄地元のお役に今だ
立っていますが、上古沢隧道は、地元の人々に
忘れられ、今や役に立つ人々と言えば、我々
愛好家(マニア)だけという、物悲しい隧道となり
下がっております。
 その隧道から程無くして人道と斜めクロスする
形で交わります。
 上古沢側から行ったほうが確実に早く隧道に
たどり着けそうです。
 人道左へ行けば笠木峠、右へ行けば上古沢
駅へ。「南海電鉄」が立てた道しるべのようです。
 右側が「上古沢駅」へ通じる人道。左が軌道跡
のようです。
 一応隧道発見という当初の目的を果たしたため
よととのテンションは、一応の平静さを取り戻し、
と同時に足がいてえええ!
 相当量の筋肉痛であることが判明(もっと早く
気付けよ・・・)
 でもせっかくやし、軌道跡を踏破するか・・・ 
 ここからでも距離は結構ありました。500mぐら
いかな?途中、軌道跡が全くなくなる(どうも法面
大崩落による消失のようだが)ハプニングもあっ
たが、最終的にはご覧のような広々とした軌道
跡に出てきました。
 上古沢地区がまもなく、という感じになってきま
した。一応のバリケードが施されています。

 コンクリ舗装の路面と町並みが見えてきました
ああ懐かしい。無事生還を果たせました。。。
 急斜面をうまく活用して、まばらに立つ民家と
道路が歴史を感じさせます。
 ここを林鉄が走っていたなんてねえ。
 しばらく行くと急な上り坂、私有地らしき駐車場
?と下る人道の3つに分岐しました。
 右手にある看板。
 右の坂を上ると、前半戦の最後辺りの青看板
の場所に出ます。ようやく繋がりました。でもあそ
こは軌道跡ではなかったようです。真ん中の私有
地のような道が軌道跡のようです。であるからし
て、途中でルートを外れていたのを今頃気付き
ました。
 ほとほと疲れ果て、あしたのジョー並に灰になり
ながら南海電車の椅子に座っり、車掌さんや乗客
から不審な目で見られてしまいました。。。
 限界っす。

 上古沢駅〜紀伊細川駅まで1駅150円。距離は
かなりあります。よくこの距離をあの難所を抜けて
きたもんだ、とシミジミ感じつつ、帰路についたの
でありました。。。

 なんか、「でんしゃみち」みたいなレポになっちゃ
いましたが、隧道訪問ということでお許し下さい。