旧吊鐘隧道


和歌山県


中盤戦

  

 前回、出だしでいきなり極細隧道との出会いを果た
しましたが、実際狙っていた場所とは1km弱のずれ
があります。延長ももう少し長いはずですので。。。

 なんとなく気まずい気分になりつつ、ワンコに吠え
られ続けながら、農道のようなダート道をさらに奥に
進みます。
 振り返れば民家が後ろに。。。
 
 ほんの少し進めば轍もなくなりこの狭さ。。。
 ああ、こりゃあかんなあ、軽じゃないとボディが傷
だらけになりそう。。。
 農道から林道に突然のチェンジ!こんなチェンジ
勘弁ですが、ガレ細の林道に変化しました。いったい
どこへ続く道なのか。。。
 植林とほったて小屋が左手に。右側は斜面ですが
高さはなく、両側の圧迫感は感じられず日の光も
届いて明るい林道です。
 うむむ?
 深い穴には土嚢を埋め込んでいます。右手の黄色
い配線も気になりますが、結構現役で使われている
ような感じがします、この道。。。
 んん?
 道の外れの老木がやけに目立っています。明らか
に植林と雰囲気の違うその姿にしばし見入ってしま
います。
 なんか口開けてる???
 口、開いてますよ、老木様。。。
 
 昔ながらの斧で切り倒そうとしたのでしょうか。しか
しなんで途中まで?

 昔、きこりが斧で切り倒そうとしていた時、突然男
の頭上に雷が落ちた。。。村の長老は、これは
ご神木様のたたりじゃ、切ってはならぬ。。。

 なんて、昔話が出てきそうな状態です。後で写真
を見たらお口の下に紐が巻かれているような。。。?
 ご神体などによく巻かれているものに似ている気
がします。

 あんなに切られてなお緑を生やす木の生命力に
敬礼!
 。。。脱線しました。。。

 さて、ますます道は悪くなり、周りの峰も深くなりつ
つある状況、地図で目測した隧道想定地も間もなく
では?という状況、そろそろ目的地に辿り着けそう
です。
 !!!
 く、車が居る。。。
 しばらくフリーズしてしまいました。。。が。。。向こう
もシーンとしています。あんな道の途中で停車してい
る???
 人は乗っていないようですが、明らかに現役バリ
バリの軽自動車です。林業の方の車でしょうか。。。
うむむ、ちょっと行きにくい。。。
 しかし、引き返せるわけがない!だって、たぶん
あの軽の背後にありそうですよ、例のブツが。。。
明らかに越えられそうにない峰に道が突っ込んでい
るんですもの。。。
 意を決して軽自動車の前に出る!と。。。

 キタ!!

 ここは地図で当たりをつけた場所に間違いない!
やはり予想は正しく、しっかり隧道が存在しました!
 完全素掘りのレア隧道ではないでしょうか?

 それにしても気になる地面に続くレールのようなも
のはナニ? 
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 明らかに何かに使用されている感満天の隧道で
す。右手に何らかの器具、そして地面に三脚のよう
な足を生やしつつ隧道を突っ切る謎のレール。。。

 山岳の果樹園等で多く見られるトロッコを走らせ
るレールのように感じます。
 業務用として相当現役のようです。その割には洞
内も完全素掘りのようですが。。。
 
 入り口上部は何度か崩落しているようで、かなり
荒い岩盤のような岩が剥きだしで眼前に浮いていま
す。
 洞内から振り返り。
 よく見たら左手の斜面が崩れた土砂が結構積もっ
ており、レールもあることから車は完全シャットアウト
です。
 しかしながら、かつては車道として活用されていた
としても不思議はない洞内の広さです。
 やや四角に整形された洞内。車は充分に通れま
す。しかしながらそこにはレールと、コードが1本
。。。。
 反対側坑口までやって参りました。。。
 ???
 なんか素掘りではなく整形されていません???
 !!!
 こ。。。これは。。。

 すごくないですか???

 乱積み隧道なんて見たことありませんが。。。
 乱積みなのに見事に五角形を形成しています。
 細川柱本隧道なんかはちゃんと力学などを考えて
積んでいるんだなあ、と素人目にも思いますが、こ
れってどうなんでしょう???アーチ部分に乱積み
とは。。。
 まあどうあれ、崩れてなさそうですし、これってすご
い!!
 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 うーん。。。

 ちょっと残念ですが、これは近年補修時に成された
もののように感じます。コンクリの荒い目地(と呼べ
ないぐらい溢れ出てる)をみると、正規の土木技術
ではない気がします。。。
 屋根型の支保工を組んで、隙間に石を詰め、コン
クリを流し込んで、形成した、という推論ですがいか
がでしょう?
 もとは全面素掘りの隧道であった可能性が高い
と思います。プロ仕様なら衝撃モノだったのでは、
と思うと非常に残念ですが。。。

 
 まあ私の推論が正しいとも限りません。こういう技
法があるんだ!というのであれば、それはそれで
非常に素晴らしいことなのですが。。。
 でも、ぱっと見は非常に綺麗に組まれていると思い
ます。サイドは出口に向かって丸くされているし、ア
ーチとの継ぎ目もはっきりしています。
 内部からフラッシュ撮影するとこんな感じです。
 結構継ぎ目も自然な感じですねえ。
 遠めから見てもなんとも味わい深い隧道の形を
成しています。コレだけ見れば土木遺産もアリかも
???
 レールウェイは隧道から右カーブし、2手に別れま
す。1つは急傾斜の谷を降り、1つはそのまま平坦
路線となります。ちなみに左手にもレールのない降り
ぎみの林道が延びています。

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 地図で目測した地点に隧道が存在し、ここで大満
足!となるのですが。。。本来は。。。

 なんだか、レールを追っかけてみたくなりました。
という訳で、今回のレポはまだ終わりません。

 以降、
後半戦へ!

 行き着く所に一体ナニが。。。よとと未体験ゾーン
へ。。。ああもう無理。。。