奈良栗平林道
栗平トンネル

 

 yoshirin氏からの情報では、闇に紛れた隧道が存在
するという。。。電子地図にも地図帳にも載っていない
忘れられた隧道ということになります。
 場所は奈良県吉野郡十津川村の。。。「隧道参り」項
目の(仮)内原隧道へ向かうルートと国道からの侵入は
同じです。
 違うのは、国道から進入して1km行かないぐらいに
向地という地区があります。そこで道が大きく2手に
分かれます。
 右手の橋を渡れば、あの(仮)内原隧道のある内原
地区へ向かいます。
 今回は青看板が示しているように、栗平地区へ向か
います。
 ちょうど栗平川と並走する形で、山中奥深く入り込む
栗平林道の始まりです。
 この栗平林道、よととが所持する地図帳では、栗平
地区からさきは二重点線道が6kmほど続き、その後
通常路扱いとなって、随分北にある旭貯水池を抜けて
旭川に沿って国道168号線に合流すという長大な路線
です。(どこまでが栗平林道なのかはわかりませんが)
 栗平地区まででも相当な距離があります。
 その途上でした、カーブの先に前触れもなく突如として
ポッカリと口を開けるその「穴」を発見しました。
 新しい!ちょっと意外な展開でした。
 まさか、全く情報のない隠れ隧道がこのような新しめ
のトンネルとは思っていませんでした。

 ここです↓
   

 「栗平トンネル」1991年11月竣工のようです。
 扁額には、奈良県知事上田繁潔氏の銘が入ってい
ます。(上田氏は1980年〜1991年までの3期11年余り
知事に就任)上田氏の銘入り扁額は多数見かけます。
 知事銘入りであれば、結構知られたはずのトンネル
であるのに、地図にも忘れられ、各種トンネル集にも
忘れられた、悲しいトンネルです。
 延長295mは結構な長さ(しかも幅員は4m)であるが
照明が全くない。離合など全くないのかトンネル内の
黒くなった轍は一直線に出口に向かっています。
 確かに今回の訪問で対向車0でした。
 夜通ると不気味そのものでしょうねえ。
 因みに、長細トンネル照明なしのよとと的に最強は
滋賀県の横谷トンネルです。1994年9月竣工、延長
770m、幅5mで照明なし(設置はあり)は反則ですね。
 この栗平トンネルは照明設置もなしですから、大概だ
と思いますが。。。
 このトンネルの左側に栗平川に沿うように旧道らしき
道がありました。あまりに狭そうなので、徒歩で行って
みました。
 軽専用?の轍が続く中、???巨大なパイプが川を
渡っています。なんだこれ?

 山中に不自然にでかい構造物で圧倒されました。
 どうも、水力発電かそういう類のパイプのようです。
 このパイプが山の中を貫通しているのでしょうか。。。
 荒れたほったて小屋が残されており、その手前の空
きスペースには

の看板が。。。待避所で駐車場で駐車禁止とは、
どゆこと???(駐車場の文字は隠されていたようで
すが)
 ああ。。。プチ崩れで道を塞いでいます。
 渡った先には鉄の吊橋が見えます。
 真新しい鉄製吊橋。名前がありました。

「下数根橋」だそうです。
真新しい鉄吊橋に不釣合いな木製の銘板。ひょっとし
たらこの吊橋の前代に設置されていた銘板なのかも

知れません。
 渡った先はモノレール乗り場でした。

 よく丘陵にある果樹園などで、採れた果物を運ぶ
ために設置してありますね。
 これは人がメインのようですが。。。どこに行くの?
 旧道に戻ってしばらく進むと、現道が見えてきました。
 栗平トンネル反対側坑口前に出ました。右の未舗装
旧道を左側のような現道に拡幅してトンネルまで掘った
んですから、確固たる目的のある林道なんでしょうが、
あまりにも周りは静寂に包まれています。
 せっかくなので、どこまで行けるか奥地に潜入を試み
ました。
 程無くして、舗装路が途絶え、整地拡幅は完了してい
る砂利道に変わりました。こりゃ先行き不安だ。。。
 法面の補強もガードレールもあり、あとは舗装する
だけ、のような感じですが。。。
 真新しい切り通し。
 きっちり整地拡幅されていた道がちょうど、栗平地区
にさしかかったところでぷっつり途切れ、怪しげな林道
本来の姿をみせ始めました。。。栗平地区には人家が
見当たりません。
 
 
 先は左へ曲がりつつ橋を渡るようですが、何か様子
が変だぞ???
 あああああああ・・・・
 車道がナイ!!
 無理して橋渡ろうとしてたら即死モノでした。
 どうやらこれまでのようです。
 場所はコチラ↓
      
 ほったて小屋の先にも道はありましたが、完全に車
の道ではなくなってます。
 地図では、やっぱり点線道で、カヅネ谷に沿う形で
北上し、旭貯水池への最短コースを取ります。

 点線道の行く先は2枚上の写真で、橋を渡らずに
直進し、水無谷に沿って北東方向に進んでいます。
 でも、直進には道らしきものがなく、全く工事が行わ
れていないことが分かりました。
 と、いうことで、栗平林道は全線開通しておらず、また
全線開通の見通しも不明である、ということが判明致し
ました。。。