有峰林道小見線隧道群


富山県


その6

 


小見線の新トンネル群もあと2本となりました。そのうちの1本がこちらです。 
 雨が激しい。。。

 東坂森トンネル
 2000年(平成12年)3月竣工
 延長421.2m 幅員6.5m 高さ4.5m


 こちらも狭く、絶壁ラインを縫う旧道をパスする
トンネルとなっております。
 こちらの旧道は入口付近にブルを入れて何ら
かの作業をしているようです。そこ以降は激藪
と旧道の埋まった様子が見えます。
 ここには旧車道隧道はなかったようですので、
すっとばすことにしました。
 

連続して存在する新トンネル。これが小見線最後のトンネルとなります。
ゲートから、亀谷トンネル、新真谷トンネル、新鬼ヶ城トンネル、新ニンニクトンネル、東坂森トンネル、新坂森トンネルと
続きます。この新トンネルたちのお蔭で小見線の大半は対向2車線規格の快適道路となりました。また、かつての隧道たちを
潜ることも一切なくなりました。 
 最後の新トンネル。

 新坂森トンネル
 1997年(平成9年)10月竣工
 延長319.0m 幅員6.5m 高さ4.5m


 こちらのほうが東坂森トンネルより先にできた
んですねえ。
 ってか、こっち旧道が見当たらない?

 。。。と思ったら、新トンネルに削られて、人が
通る程度にのみ旧道の入口が残ってました。
 あーよかった。。。
 。。。旧道は見る影もなく、超藪まみれ。。。
 設備の管理道にも使われることがなく、完全に
自然に還ろうとしています。

 そんな中に。。。あったよ。。。

 
 基本的にコンクリート隧道は強いイメージです
が、まさにその通り!
 前の道がどれだけ消え去ろうが、その固く冷た
い口はぽっかりと今も口を開けておりました。
 おおお。。。こっちも靄がすごい。。。
 短い隧道が多かった小見線ですが、今回の
はちょっと長めでしょうか。
 振り返ればその緑の海を解っていただけると
思います。
 冬場には来れないので、藪は付き物な林道
です。。。
 もう少し引きで。。。
 緑の海は坑口から少し入って止まっています。
 うーむ、暗い。。。
 靄がきついですが、口廣谷隧道内部よりかは
マシですな。
 入洞してからずっと右に曲がり続け、ようやく
光が見え始めました。
 よかった、閉塞してなかった。。。
 振り返っても左カーブで同じ景色が。。。
 この辺りが大体中央ですかねえ。
 おおお、明るい!
 出口が近づいてきました。赤い鉄骨が見えます
ねえ。
 お馴染みロックシェッドの赤い鉄骨でした。
 ちょっと洞内の側壁が剥離しているようです
ねえ。ちょっと珍しいかな。

 しかしそれよか、その奥の状態が気になります
が。。。

 おわっとる!!!

 瞬時に感じ取れるその光景。。。ロックシェッドから見えるのは8割がた埋め尽くす怒涛の斜面。。。

 。。。今まで見た崩落現場と明らかに異なる点。
 瓦礫の上の植生が濃い!あきらかに崩落から時間が経っています。
 。。。しかしエゲツナい。。。この崩土の量。。。これまでこの林道を見てきましたが、崩落の規模がいちいちでかい!
それだけ山深き場所だと云うことか。。。 
 振り返ってよく見ると。。。
 頑丈なはずのコンクリ隧道が結構ぼろぼろ
に。。。
 ここはだいぶヤバイのかもしれません。。。
 日が差し込むロックシェッドの内部は、コンク
リート路面からも植生を促します。

 ロックシェッド込みの坂森隧道南側坑口。
 鉄骨に掲げられたプレートが痛々しい。。。
 縦撮りです。
 ここをかつては車が通っていたのか。。。

 さて。。。と。向き合いたくない現実と向き合いますか。。。
 時刻は17時を過ぎた所です。8月とはいえあまり時間がありません。しかも雨足は衰えず。。。

 奮闘わずか5分!しかし。。。しかし!

 
全身ずぶ濡れじゃあああああああ。。。。。。。。

 史上まれにみる凄惨な有様にテンションだだ下がり。。。しばらく隧道の中で茫然。。。
 背丈を超える激藪が続き、強烈にまとわりつくハエみたいなの。。。しかも雨足は全く衰えず。。。
 なんなんだ、この敗北感は。。。これ、引き返さないとなんですよねえ。。。がくっ
 苦労させやがって。。。本当に鬼ヶ島の城に
来た気分や。。。

 鬼ヶ城隧道 
 竣工年度等一切不明


 。。。相変わらずである。。。 
 長めのロックシェッドを潜れば、鬼ヶ城隧道の
坑口が見えてきます。
 振り返り。
 ロックシェッドの長さが分かって頂けると思い
ます。
 ここも靄がきついな。。。
 内部は覆工なしの素掘りとなっています。
 見通し悪いですねえ。。。
 ロックシェッドから隧道に至るまで、離合できる
ような場所はありません。
 ここも交互通行だったのでしょうか。
 靄がきつくて暗いとブレまくるので、路面に
置いて撮影してみました。
 うーむありさん視点。。。
 振り返って。
 まんま素掘りですよねえ。。。いかつい。。。
 数mの覆工。奥は側壁がコンクリートでアーチ
が素掘りのようです。
 南側坑口付近は、おそらく素掘りアーチで
あったんでしょうが、波板で覆われています。
 南側もロックシェッドに覆われています。
 その先はまたしても緑の海か。。。

 う〜み〜は〜ひろい〜な〜♪ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 
絶対無理!!!!

 引き返しぢゃああああ。。。
 おっと、南側坑口振り返っておかんとな。
 狭いな。。。離合など絶対無理です。
 気合で外からの廃景をば。。。
 これだけ引くのも一苦労です。。。

 遂に難敵鬼ヶ城隧道を制覇しました!
 しかしながら、まだ発見していない隧道が存在します。honさんのサイト「道路狂」によると、「大萩隧道」というのが
あるはずなんですが。。。しかも旧?隧道付きで。。。
 そんなの来しなには見なかったですがねえ。
 。。。で、怪しいのがこの隧道表記です。ちょうど小見線1個目のトンネル、亀谷と2個目の半四郎の間に表記されて
います。
 。。。うーむ。。。?帰りしなにもう一度確認するか。。。

 ぶーん。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!???

 急ブレーキ!!!ななな、なんか見えます。。。よねえ!?

 実際に視界に入ったのはこのタイミングです。
 頭の中で認識されて停車に至ったのがあんなに向こうなのでした。。。はっきり言ってガチな2度見をしましたよ。。。
 しかし、行きしな、気づかなかったが。。。
 大萩隧道。。。はっきりそのお名前を捉える
ことができます。。。
 ちゃんと居ました。地図の場所に。。。
 しかしその姿はあまりに無残。。。完全に埋没
しています。
 では反対側はど−なっとんぢゃ?

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 
orz

 こういうことか。。。しかし。。。しかし!曲がりなりにもトンネルハンターを自負している身ならこれは見つけて
ほしかった。。。見事にスルーでした。。。
 見事に法面と同化した大萩隧道北側坑口。
 断面まで法面に合わせて削られています。
 そしてしっかりコンクリートが詰め込まれてい
るようです。
 もう少し。。。もう少し右手に新道を開設して
くれたなら、この隧道は生き残れたかも。。。
 残念!

  出典:「道路狂」http://homepage2.nifty.com/nao-h~road/index.htm
 在りし日の大萩隧道の雄姿。honさんが撮影
されております。
 これがあんなことに。。。

 出典:「道路狂」http://homepage2.nifty.com/nao-h~road/index.htm
 そして。。。この大萩隧道には旧隧道もあった
ようです。。。惜しい!これは位置的に完全
消滅です。
 新道開削によって完全に姿を消してしまいま
した。。。
 南側は旧道もしっかり残っているようです。
 あの瓦礫は崩落ではなく、旧隧道もろとも
削られた山肌の残骸でしょう。。。
 気が付けば雨は止んでいました。
 時刻は何と18時半です。季節が季節なら真っ暗な時間帯ですがねえ。

 兎にも角にも有峰林道小見線。下調べした全隧道の確認は一応できました。
 ゲート側から新旧の隧道トンネルを並べますと。。。

 1:亀谷トンネル
 2:大萩隧道(廃隧道。埋没だが残存)
 3:旧大萩隧道?(完全消滅)
 4:半四郎トンネル
 5:新真谷トンネル
 6:イタドリ隧道(関係車専用ながら現役。NO.3のペイントあり)
 7:真谷隧道(関係車専用ながら現役。照明あり)
 8:新鬼ヶ城トンネル
 9:索道平隧道(廃隧道。NO.6のペイントあり)
 10:鬼ヶ城隧道(廃隧道)
 11:新ニンニクトンネル
 12:ニンニク隧道(廃隧道)
 13:口廣谷隧道(廃隧道。片側坑口埋没)
 14:東坂森トンネル
 15:新坂森トンネル
 16:坂森隧道(廃隧道)

 
 現存だと小見線には15本もの隧道トンネルが存在します。
 しかし、ちょっと謎な部分もありまして、6:イタドリ隧道の坑門にはNO.3のペイントがあります。イタドリの前で確認でき
たのは大萩隧道のみ。旧大萩は大萩と並行して存在していたようですので、カウントには入らないと思うんですが。。。
 よって、1本足りない?
 さらに、9:索道平隧道にはNO.6のペイントがあります。NO.3のイタドリの次は真谷隧道しか確認できませんので、これも
1本足りないことになります。
 ペイントはこの2本しか確認できなかったので、何か違う意味なのかもしれません。また、どのタイミングでペイントされた
のかも分からないので、例えば亀谷トンネルだけがカウントに入っている、なんてこともあるかもしれません。
 まさかの管理用人道隧道のカウントはないと思うんですが。。。

 ちょっと謎が残りました。ここの林道の昔をご存じの方、以前他にも隧道が存在した。或いは未だに眠っている、なんて
衝撃情報があれば、是非お知らせ下さい。

 取りあえず 有峰林道小見線