A発電所導水隧道


滋賀県


その8

  

 こうもりさんの洗礼をたんまり受けて撤退
を余儀なく(長靴では無理な水深でしたw)さ
れ、またもや車道を迂回。
 Minekoさん曰く、この間には3本程隧道が
あるかもしれない、とのことでしたが氏も未
調査で、全くの闇に閉ざされた存在です。
 原因は川向こうの深い山!探索にはそれ
相応の装備の必要性を感じます。
 てなわけで、今回はパス!
 その3本の隧道を越えると、ついにゴール
地点。そう、水力発電所です。
 発電所へはここからアプローチ。知ってる
方は知ってるんですかねえ。
 小さい堰堤を渡ります。
 この堰堤から取水された水は少しの暗渠
を通って、この頭首工へ。
 現役で使われています。
 結構な水量がこの隧道に吸い込まれて
いきます。
 一体どこに向かうんでしょうねえ。

 。。。まあそれは置いといて、発電所跡に
向かいましょう。

 それは堰堤から程なくして姿を現します。
 杉林の中に悠然と佇む巨大な煉瓦構造物。。。そう!これこそ発電所建屋です!
 すごい!これほど原形を留めて残っているのは見事!

 杉が邪魔でなかなかいいアングルが見つかりません。
 ここは出入口ですな。両脇に窓があります。 
 窓一つとっても非常に凝った造りです。
 要石、迫受石2つ、下部の桟部分、計4か
所に切石を使用。
 アーチは2層煉瓦です。壁面はイギリス積
みですな。

 広めの出入り口。
 往時の姿をかなり残しています。
 これまた要石が凝っています。
 1つの石から出来ているんでしょうが、立体
的にしています。
 ここのアーチ環は3層です。
 建屋の内部に大きな穴が開いていました。
 そこから水の音がするんですが。。。?
 むむむむむ。。。
 なんか足元から水音がします。しかも結構
な勢いで。。。
 よく見ると足元には丸い木の蓋が被せて
ありました。
 やべっ、踏み抜いたらエライコッチャ。。。

 しかし、廃発電所の地下になんで水の流れ
が?

 穴の底から見上げます。
 なかなか得られない廃景を撮影できました。 
 

 方向を変えて。。。って、おやあ?
 上の出入り口、窓の空間以外に。。。あんな下に丸い穴が。。。? 
 外側から。
 1層巻のアーチが、土台であるはずの切石
の下に造られています。
 これは。。。なんか分かってきました。
 振り返ると。。。
 山の斜面に、半円状の凹みを入れられた
コンクリートが設置されている姿をぽつぽつ
見ることができます。
 そう、これは送水管を受けていたコンクリ
だと思われます。
 急流にて送られた水は一気に先ほどの
建屋下部のアーチを通りすぎて建屋の地下
へ送られていたのでしょう。
 
 しかし、地下に水の流れがあるのが解せ
ません。
 ひょっとしたら、先ほどの堰堤からの水を
通すのに、地下部分に水路を繋げて再利用
しているのかもしれませんな。

 
 他も見てまわります。3連窓。
 真ん中のは観音開き窓が付いていたであ
ろう蝶番が一部残っています。
 
 内部には電話BOXみたいな個室が。。。

 建屋を大きく2つに分ける真ん中の大壁。ここに大きなアーチがあります。
 下部はコンクリートのようですが、上部アーチはこの建屋最大の4層巻きとなっています。
 しかも一番外側が迫出してますね〜。
 大きな発電建屋の隣には2つの小さな
建屋が。
 なんの建屋でしょうか。
 職員詰所とかでしょうかねえ。
 真円の面白い煉瓦積みが。
 こだわりますね〜
 隣のは。。。トイレですな。
 トイレも煉瓦建屋とは贅沢な。。。

 いい撮影ポイントを見つけました。
 2つの小さな建屋に面した山肌がいい感じです。
 ここの煉瓦建屋3棟とも屋根がありませんね。。。一体どういった屋根だったんでしょうか。

 これが当方のベストショットでしょうか。
 何とか2面は見渡すことが出来ます。

 これもいい感じです。
 ”額”部分の煉瓦真円アーチが特徴的です。

 たっぷりと煉瓦構造物を堪能しました。これほど状態良く建屋が残っているとは思いませんでした。
 戦争遺構でも煉瓦建屋は見られますが、やはり戦後に潰されたり爆破されてしまうので、なかなか是ほどの
状態の物とはお目にかかれません。

 さあ、そろそろA発電所導水隧道探索も大詰め!
 次回が恐らく最終回。最終回にしてやりすぎました。。。 以降、 
その9 に続く!

  

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